●がん化の可能性がある白板症(はくばんしょう)
舌や頬の粘膜、歯肉の一部が白くなるもので、食べ物がしみる、歯ブラシが当たると痛いなどの症状があるため、口内炎と間違えることがあります。口内炎は約2週間で治癒しますが、白板症の場合は範囲が広がり、白い部分が厚く盛り上がって、びらん(粘膜の浅い欠損)や潰瘍、しこりがみられるようになります。びらん、潰瘍、しこりを伴う場合、初期の口腔がんの可能性があるため、組織を取って検査をする必要があります。
原因は、義歯の不適合、ガルバニー電流(歯に詰められた金属によって発生する口腔内電流)、ビタミンA・Bの不足、喫煙などで、歯科的治療、ビタミンの投与、禁煙などの治療を行います。びらん、潰瘍、しこりがある場合はがん化する可能性が高いため、切除する場合があります。
●がんになっている可能性が高い紅板症(こうばんしょう)
舌や歯ぐきなどの口腔粘膜の一部が鮮紅色になり、あきらかに周囲と色が違うのがわかります。食べ物や飲み物、歯ブラシが当たると刺激があり、50%ががん化する、もしくはすでにがんになっている可能性が高い疾患です。50歳以上の方が紅板症の80%を占めていますが、それ以下の年齢でも発症する可能性は十分にありますので油断できません。がん化の可能性がとても高いため、手術によって切除します。